多くの駐妻が抱える悩みと言えば、帰国後の仕事、キャリアのことではないでしょうか。
少なくとも2~3年以上の駐在期間、夫にとってはキャリアアップの時間ですが、妻にとってはどうしてもブランクになってしまいがちな期間です。
ほとんどの国では帯同者ビザの就労が限られており、働きたくても働けない・・。帰国時の年齢やブランク期間のことを考えると「本当に仕事なんて見つかるのかな・・・」と憂鬱な気分になるのではないでしょうか。
ですが、帯同中の過ごし方によっては駐妻ならではのスキルや強みを身に付けて帰国することも可能なのです。
この記事では、駐妻の帰国後のキャリアの強みになるもの、そしてそれを身に付けるための方法について紹介してきたいと思います。
駐妻の武器は、海外生活の経験と語学力
いわゆる駐妻として海外に帯同している方にとっては、駐妻期間はキャリアのブランクとネガティブに考えられがちです。
ですが、考え方によっては駐妻期間を武器にすることもできると思うのです。
海外に帯同というのは、誰でも得られる機会ではありません。さらに海外に3年住んでいました、というのは自分では大したことがないと思っても、他の人からしたら、十分凄い経験なのです。
何も学んでいないと思うかもしれませんが、日本以外の文化やマナー、人間関係など、どうしても日本国内にいては学べない事を嫌でも学んでいます。
このグローバル化する社会の中で、海外の雰囲気、人の考え方を肌感で知っているというのはとても大きな武器になると思います。
また、帯同中は語学を身に付けるまたとない機会です。
普段の買い物や現地の人との交流などを通して、いやおうなしに英語もしくは現地語を身に付けることになります。
語学を身に付けることで、帯同生活がより充実するのはもちろんですが、帰国後はよりその語学力が重宝されることになります。
「海外に住んでグローバルな感覚を身に付けていること」と「海外でも困らない語学力を身に付けていること」という駐妻ならではの経験を組み合わせることで、強い武器になります。
英語を使った求人を探してみると、「海外在住経験が1年以上ある人」などの条件がついているものも多いです。
学生以上に時間がある帯同期間を活かさないともったいない
とはいっても、語学はもともと得意じゃないし、武器といえるほどのレベルじゃない・・と思われる方もいるかもしれません。
でも大丈夫です。もし今そんなに英語力がないとしても、英語力は勉強次第で必ずのばせます。
駐妻には仕事の機会がないかわりに、膨大な自由時間があります。
その時間を上手く使って勉強すれば、帯同期間中に飛躍的に英語力を伸ばすことも可能なのです。
たとえば、語学力をはかる国際的な基準CEFR(セファール)というものがあるのですが、それによると語学学習者のレベルは以下のように分けられます。
熟練した言語使用者
C2
聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができる。
C1
いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。
自立した言語使用者
B2
自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。
B1
仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。
基礎段階の言語使用者
A2
ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。
A1
具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。
【引用元】文部科学省:https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/__icsFiles/afieldfile/2019/01/15/1402610_1.pdf
そして、1つ上のレベルに上がるのに必要な勉強時間はおよそ300時間といわれています。
では、帯同中に1日3時間勉強に当てたとします。そうすると1年で約1000時間は勉強できることになります。
ということは、1年で上の表にすると3レベルもアップすることができるのです。
1日3時間の勉強時間は、中々フルタイムで働きながら確保できるものではありません。
ですが、帯同中の期間であれば、十分に確保することができます。
この機会を利用しないのは、本当にもったいないと思います。
帰国後有利にするために取得したい資格
TOEIC
これは王道ですが、やはり日本社会で一番ポピュラーに使用されている指標なので、とっておくに越したことは無いと思います。
TOEICは半分は実力、半分はテクニックで高得点が狙えるので、ある意味勉強しがいのある、タイパの良い資格だと思います。
英検
英検も、TOEICと並んで日本で広く認知されている資格です。
スピーキングやライティングの試験もあり、TOEICと異なり4技能の能力を測ることができます。
求人などでは、準一級以上を求められる場合が多いです。
IELTS
こちらはまだ日本ではあまりポピュラーではないですが、海外ではこちらの方が認知度が高いです。
英検と同じく4技能のスコアを測る試験です。
取っておくと、外資系企業などの就職に有利かもしれません。また海外でも試験が受けやすいのがポイントです。
効果のあったおすすめの勉強方法
勉強時間がたっぷりとれたとしても、効果の薄い勉強方法を続けていてもあまり意味がありません。
日本に帰国した時に、英語力がアップしたと自信をもって言えるようにするために、効果のあるおすすめの勉強方法は以下の通りです。
言語交換(ランゲージエクスチェンジ)
せっかく帯同中なので、現地の人の友達を作りながら語学の勉強をしたい人にはぴったりの勉強法です。
日本語を勉強したい人に教えてあげる代わりに、相手の言語も教えてもらいます。
言語だけではなく、その国の文化やイベントなども教えてもらえるので、帯同生活を充実させることができます。
費用が掛からない点が魅力的ですが、主張の強い海外の方に負けて自分が日本語を教えてばかりにならないように、相手と上手く相談して進めるのがポイントです。
英語番組視聴
日本のテレビには英語だけのチャンネルはありませんが、英語圏にいけばもちろん全て英語、他の海外でも海外在住者用に英語のチャンネルがあったり、専用のプロバイダを利用して英語圏のチャンネルをテレビで見れるようにすることもできます。
私は朝の数時間はBBCを流しっぱなしにして、リスニングの練習をしています。
もちろんただ流すだけじゃなく、ある程度注意して聞く練習をすることが重要ですが、耳を慣らすという意味ではかなり役立っていると思います。
オンライン英会話
最後に必須なのは、オンライン英会話です。
英会話を上達させるにはとにかくアウトプット量を増やすことが重要です。
現地の語学学校に行くのももちろん良いですが、週に数回だけだとアウトプットの量として少ないです。
そこで、毎日英語を話す手段としてオンライン英会話がおすすめです。
海外にいるのに日本のオンライン英会話を受けるの?と思われるかもしれませんが、結局これが一番簡単で、数をこなすことができます。
また、物価の高い国だと語学学校の費用もとても高いですが、日本のオンライン英会話の月会費は「えっ?こんなに安くていいの?」と驚くほどのコスパの良さです。
とにかく英語を話す量を増やしたいのであれば、費用が圧倒的に低いオンライン英会話で数をこなすのがおすすめです。
オンライン英会話も色々ありますが、私は圧倒的にネイティブキャンプがおすすめです。
理由はとにかく価格が安いことと、予約不要でいつでも受けられるところが私に合っていたからです。
予約が必要なレッスンだと、ついつい予約自体がめんどくさくて気が付いたら予約がうまって受けられなかったりして、月会費を無駄にしてしまいがちですよね。
ネイティブキャンプは本当にいつでも受けられるので、空いた時間に1レッスン受けよう、といった感じで気軽に受講できるのが最大の強みです。
月会費は6,480円ですが、追加9,800円で、ネイティブ講師の受け放題オプションを付けることができます。
ある程度レベルがある方や、英語圏に住んでいて、ネイティブの英語の聞き取りや表現を勉強したいという方にはこのオプションがおすすめです。
講師の質も重要なので、7日間の無料体験期間を使って、色々な講師を試して良さそうであれば継続するというのがいいと思います。
まとめ
この記事では、駐妻の帰国後のキャリアは海外在住経験と語学力が強みになるということを紹介してきました。
駐妻は帰国後のキャリアに不安がつきませんが、帯同中の時間の活かし方次第では、大きな武器を身に付けて帰国することができます。
帯同してよかった、駐妻になってよかったと帰国後も良い思い出として振り返れるように、今の帯同期間をステップアップ期間として上手く利用しましょう。