日本にビジネスなどで来ているインド人は、英語が話せる人がほとんどです。
ただし、「ヒングリッシュ」(ヒンディー+イングリッシュ)といって、他のアジア圏の人の英語とは明らかに違う、強いアクセントがあります。
ヒングリッシュ話者と会話していると、ある程度英話ができる人でも、「えっ?今なんて言ったの?」と聞き返さなければならない場面が少なからずあると思います。
ですが、その強いアクセントも簡単な法則を掴んでしまえば理解できるようになります。
そこで、今回はインド英語を聞き取るためのちょっとしたコツを紹介したいと思います。
特徴的な3つの音【T】【R】【W】
特徴的な3つの音【T】【R】【W】
例えば、“But” (しかし)という単語を普通に発音してみてください。
その後、Butの【t】の部分を、舌を上あごにつけるようにして発音してみてください。
どうでしょうか?なんだか不思議な感じの発音になりましたよね?
これが、インド英語の【T】の発音です。
例えば、
“it”(それ)
“at”(~に)
“try”(挑戦する)
それぞれ、舌を上あごにつけて【t】を発音してみてください。
おもしろいほど、ヒングリッシュ的なアクセントに近づきます。
また、これは【D】の発音の場合も同じです。
“Don’t touch it”の赤文字の部分を同じやり方で発音してみてください。
かなりそれっぽくなりますよね?
これが、ヒングリッシュの代表的なアクセントの一つです。
①【T】の発音
こちらもヒングリッシュを理解する上で重要な音です。
インド英語では、特に【R】の音を強調します。日本人の私たちにははっきりとした「ル」の音に聞こえます。
たとえば“Park”(公園)ですが、私たちは少し巻き舌ぎみに「パーク」という発音をすると思うのですが、
インド英語だと【r】を強調するので、「パルク」という発音になります。
“Car”(車)は「カール」 “Paper”(紙)は「ペーパル」 のようになります。
これは最初はかなり変換が難しいと思います。日本人が知っている発音のままで理解しようとすると、「カール?ペーパル?なにそれ」ってなっちゃいますよね。
②【R】の発音
インド英語では、【W】の発音が【V】の発音に取って変わります。
例えば“Water”(水)の発音ですが、通常のアクセントだと「ウォーター」ですよね。
ですがヒングリッシュ風に変換すると、【w】→【v】の発音となりさらに
前述したとおり、【r】の音を「ル」と発音するので
「ヴォータル」
のような発音になります。
③【W】の発音
では、上記の3つのルールをふまえた上で、以下の単語をインド英語アクセントで発音してみてください。
“Doctor”
“Super market”
“Wet”
それぞれ
「ダクタル」
「スーパルマルケット」
「ヴェット」
のように発音できたでしょうか。
他にも、自分の知っている英単語の発音をヒングリッシュ風に発音してみてください。
自分で発音できるようになれば、リスニングも簡単になります。
この法則を知っておけば、インド人との英会話の最中にも「えっ?なんて?」と聞き返すことなく、
スムーズに会話が弾むようになること間違いなしです。
練習してみよう
インド英語独特の言い回しもある
意味:What is your name?
これは、インド人が初対面の人に名前を聞くときによく使うフレーズです。
ヒンディー語では名前を聞くときに、尊敬の意味をこめて「あなたの素晴らしい名前はなんですか?」という言い回しをするので
それがそのまま英語になったものと思われます。
聞きなれない表現ですが、こう言われて悪い気はしませんよね。
1. “What is your good name?”
意味:100%
Centというのはアメリカやユーロ圏でつかわれている貨幣の単位で、基本通貨の100分の1を通常表します。ですが、インド英語ではこれを100という意味で使っており、つまり”cent per cent”は100%の意味になります。
2. “Cent per cent”
意味:Carry out a lot tasks.
これも、ヒンディー語の言い回しが英語に直訳された表現です。
ヒンディー語で、たくさん仕事を依頼するときに「“Ekkaamkaro”(ひとつ仕事をしてくれ )」という言い回しがあります。
これをそのまま英語に訳したために、たくさんやることがあっても”Do one thing.”という表現になったようです。
3. “Do one thing.”
意味:Where are you currently staying?
put upは基本的にはモノなどを「上げる」や棚を「取り付ける」などの意味で使うのですが、やや古いイギリス英語で「滞在する」という意味があります。
おそらくですが、植民地時代のイギリス英語の名残ではないかと思われます。
4. “Where do you put up?”
意味:Excellent /Superb /Perfect
インド英語では、何かに対して「最高だ!」と言いたいときにこの表現を使います。
なので例えばインドに行ったときや、インド料理店で「料理は美味しかった?」と聞かれたら、”First-class!”と答えると喜ばれるでしょう。
5. “First class.”
意味:Relationship has changed.
人間関係について言うとき、通常は”relationship”を使いますが、インド英語では”equation”(=方程式)という単語が使われます。
ちょっと不思議な感じですが、「(人間関係の)方程式が変わった」という言い回しも、なんとなく伝わる気がしますね。
6. “Equation has changed.”
意味:Please do your task.
これはインド英語のメールの締めくくりとして良く見られるフレーズです。
丁寧に、あるタスクや仕事をしてください、と伝える表現です。
7. “Do the needful.”
クセのある発音のせいで苦手意識を持たれやすいインド英語ですが、
使っている単語は非常にシンプルなもので、
はっきりと論理的に話をしてくれるので、
慣れさえすればインド英語は難しいものではありません。
最近はオンライン英会話でも、インド人の講師の方もちらほら見かけるようになったので、
そこで練習を積むのも良いかもしれません。
基本的にはフレンドリーで親しみやすい方が多いインド人なので
ぜひインド英語をマスターして、交流を深めてみてください。