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AIで通訳の仕事がなくなる?不安の理由と今後の需要を解説!

AIによって人の仕事が取られるという話を聞いて、通訳の仕事もなくなるのではないかと心配になっている人もいるでしょう。ただ、現実的には通訳者は世界中で活躍しています。将来的に本当にAIで通訳の仕事がなくなるのでしょうか。結論からいいますと少なくとも当分の間は通訳の仕事はなくならないでしょう。この記事ではAIによって通訳の仕事がなくなるという不安の理由を説明した上で、今後の通訳の需要について詳しく解説します。

 

AIによって通訳の仕事がなくなるのが不安になる理由

AIの技術はさまざまな仕事を自動化して不要にしているのは確かです。ただ、あらゆる仕事がAIによって置き換えられるわけではありません。それでもAIによって仕事がなくなるのが不安になってしまうのはなぜなのでしょうか。

 

AIによる機械学習で翻訳の精度が向上しているから

AI翻訳が世界的によく用いられるようになったのは大きな理由の一つです。2000年代までは統計的機械翻訳を用いることが主流であったのですが精度が問題となっていました。その後2010年代からニューラルネットワークとディープラーニングを利用した技術が誕生しAIによる翻訳の流れが加速していきます。このAIによる機械学習は機械翻訳の精度を向上させました。今後も学習がさらに進められているため、AI翻訳の精度は今後も高まっていくと考えられます。人の手で翻訳する必要がなくなる可能性もあるでしょう。

 

多言語対応が進んでいるから

AI翻訳は多言語対応が進んでいるのも通訳の仕事がなくなると考えられている理由です。たとえば英語と日本語の翻訳精度が高かったとしても、中国語と日本語の翻訳がうまくできないようであれば日中の通訳は需要が保たれます。しかし、AIによって多言語の相互翻訳ができるようになっているのが現状です。AIに学習させれば対応言語も広がると考えられるため、通訳にとっては他の言語を学べば良いという状況ではなくなっています。

 

音声認識AIが実用化されて通訳が可能になったから

通訳ではある言語の話を聞いて、別の言語で説明することが求められます。翻訳とは違って音声を聞き取ることが必要ですが、AIによって音声認識もできるようになりました。音声を入力すると翻訳されて別の言語で出力されるシステムも可能になっています。そのため、翻訳家だけでなく通訳士もAIの脅威を感じざるを得ないのが現状です。

 

同時通訳で人を超える精度を出せる可能性があるから

AI技術に加えてITの技術開発も著しいスピードで進んでいます。AIでは音声認識だけでなく表情なども認識できる技術が生み出されてきました。さらに高速処理が可能なITの開発も進んでいるため、同時通訳で人を超える精度を出せるのではないかと思えるほどになってきています。オンライン化によって通訳ソフトの需要が高まっていため、今後はAIによって通訳がいらない時代が来るのではないかという不安が生じています。

 

通訳の仕事がAIに取って代わられない理由

これまでに述べてきた理由から通訳の仕事の一部はAIに取って代わられる可能性があります。しかし、通訳の仕事が完全にAIで置き換えられることはありません。なぜ人による通訳が必要とされ続けるのかをここで確認しておきましょう。

 

言語は時代と共に変わっていくから

言語は時代と共に変化していくため、通訳は柔軟に対応していく必要があります。たとえば数日前に流行語大賞になった言葉をAI通訳が使いこなせるでしょうか?AIは学習を経て精度を高めるのが特徴で、急速な変化には対応するのは苦手なのです。莫大なデータの蓄積によって生み出されたAIも言語の変化によって役に立たなくなるリスクがあります。いつでも柔軟に対応するには人による通訳が欠かせません。

 

文化に配慮した通訳は困難だから

通訳は国の異なる人たちのコミュニケーションの橋渡しをします。それぞれの国が持っている文化を考慮してコミュニケーションを取るのは通訳にとって重要なポイントです。場合によってはジェスチャーを交えてわかりやすく伝えることも求められます。また国によってはタブーの発言もあるので、十分な理解に基づく配慮をしてこそ良好な関係を育めます。文化は同じ国でも地域による違いがあってかなり複雑です。文化に配慮して通訳するためには膨大な学習が必要になるため、これをAIで実現するのは困難です。

 

 

AIに取って代わられないために重要なこと

通訳の人がAIに仕事を取られないようにするには個人個人の努力が必要です。AIが通訳としての一部の機能を果たせるのは確かなので、人はAIにできない役割を果たすのが重要になります。以下のポイントを押さえて通訳としてのスキルを磨いていきましょう。

 

ただ言葉を他の言語にするだけが通訳ではないと理解する

通訳を目指そうとしている人や通訳になって間もない人は、言葉を他の言語にして伝えるのが仕事だと考えがちです。しかし、通訳は言葉の橋渡しをするだけが役割ではありません。言語や文化の壁を取り払い、人と人とのコミュニケーションを橋渡しするのが通訳の役割です。私たちは心を持った一人一人の人間なのです。語学の勉強だけでなく、国内外の文化や政治経済なども学んで知識を付けることです。広い知識に基づいて臨機応変に通訳できればAIに取って代わられることはありません。

 

AIの進展を把握して独自の能力を発揮できるようにする

AIは学習を通して人と同じか、それ以上のスピードで力を付けていきます。AIの基盤となる新技術の開発によって急速な進展を遂げる可能性もあるでしょう。現段階では文化や心情の理解などのようにAIにとって難しい課題もたくさんあります。しかし、数年後には新しい能力を獲得して通訳の仕事を取られるリスクもないわけではありません。

重要なのはAIにできること、できないことを把握して、通訳として独自の能力を発揮できるようにすることです。通訳は国際会議に出れば政治を動かすくらいの影響力を持ちます。身近に住む外国人の通訳では「コミュニケーションが楽しいからこの人に通訳してもらいたい」と思ってもらえることも多いでしょう。このような視点でスキルアップを進めていくとAIに取って代わられずに通訳として活躍できます。

 

まとめ

通訳の仕事の中でも翻訳する部分についてはAIに取って代わられる可能性が出てきています。ただ、通訳がすべてAIになるということはまずありません。お互いの文化やその時々の心情、通訳をするシーンなどを考慮して、コミュニケーションとしての通訳ができるのは機械ではなくやはり人だからです。ただ、今後の技術開発と学習によってAIがカバーできる範囲が広がる可能性はあります。AIに任せられない仕事は必ずあるので、そこまで不安に思わずに人間だからこそできることを考え、通訳としてスキルアップをしていきましょう。