日本は災害大国として世界的に有名です。地震や津波、台風や噴火などによる被害は残念ながら毎年のように発生しています。
日本に住んでいる外国人や日本に観光に来る外国人にとって、災害時にどうしたら良いかは大きな不安要素でしょう。
この記事では外国人が災害の不安を解消するのに有用なおすすめアプリを4つ紹介します。それぞれの特徴を確認して使いやすい災害対策アプリを選びましょう。
Safety tips
Safety tipsは日本政府観光局(JNTO)の監修によって開発された訪日外国人旅行者のために災害情報を発信しているアプリです。
観光客の災害時の安全を確保する目的で提供されている日本政府の公式サービスです。
Safety tipsの特徴
・英語・日本語・中国語に加えて、アジア地域を中心に14か国15言語に対応
・緊急地震速報・津波情報・噴火情報・気象特別警報だけでなく熱中症情報などもプッシュ通知
・避難勧告や避難指示の通知と被災時の行動フローチャートを搭載
・コミュニケーションカード機能で質問をアプリで見せて周囲から情報獲得が可能
・JNTOによる外国人の受け入れをしている医療機関情報の取得に対応
Safety tipsは日本公式の災害情報をプッシュ通知で速やかに受け取れるのが特徴です。周囲の人に避難先や交通情報などを聞きたいときにもコミュニケーションカードを見せるだけで意思疎通を取ることができます。
災害による怪我や病気の際にも医療機関情報をすぐに取得できるので災害への総合対策になるアプリです。
Safety tipsの対応言語
英語、日本語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、タイ語、タガログ語、ネパール語、クメール語、ビルマ語、モンゴル語
VoiceTra
VoiceTraは国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)と先進的音声翻訳研究開発推進センター(ASTREC)によって開発された多言語翻訳アプリです。
研究目的でのサービス提供ですが、音声翻訳に対応していて災害時の対策に活用できます。
VoiceTraの特徴
・アジアやヨーロッパに広がる世界中の31か国語の文字・音声の翻訳に対応
・災害時に文字と音声を通じてコミュニケーションを取れるのが魅力
・逆翻訳によって翻訳の正しさをチェック可能
・ISO/IEC27001認証済みの世界水準の情報セキュリティを搭載
・外国人観光客の避難誘導訓練で利用された実績あり
VoiceTraは災害時のコミュニケーションをサポートするアプリとして役に立ちます。対応言語が幅広く、避難誘導訓練でも用いられた実績がある優秀な翻訳力があるアプリです。
VoiceTraの対応言語
Japan Official Travel App
Japan Official Travel Appは日本政府観光局(JNTO)により提供されている訪日外国人観光客向けの総合観光情報アプリです。外国人が日本で観光をするときに必要な情報を広く取得できるようにデザインされていて、日本在住者にとっても普段から活用できる仕上がりになっています。
Japan Official Travel Appの特徴
・観光に欠かせない電車やバスなどによる経路検索とGPS機能によるスポット検索
・オフラインで利用可能な外国語対応の病院案内・観光案内
・Safety tips for travelersとの連携による災害時の情報の迅速提供
・避難先の確認やコミュニケーションカードの機能を搭載
・大使館情報や両替所やフリーWi-Fiスポットなどの位置も簡単に取得
Japan Official Travel Appは観光で役に立つ情報を日本公式情報として手に入れられるアプリです。災害情報もSafety tips for travelersから取得可能で、災害時の安全な行動をすぐにおこなえるようにサポートを受けられます。
Japan Official Travel Appの対応言語
Osaka Safe Travels
Osaka Safe Travelsは大阪府による委託で公益財団法人大阪府国際交流財団(OFIX)が主導して開発された災害多言語情報アプリです。
ウェブサイトも同時に運営していて、ジョルダン株式会社などの協力により大阪府での外国人の災害対策サービスとして提供しています。
Osaka Safe Travelsの特徴
・大阪に特化した災害情報・観光情報・インフラ情報の総合アプリ
・緊急地震速報などの災害発生情報の迅速なプッシュ通知
・GPS機能により近くにある緊急避難場所の詳細検索が可能
・電車の遅延や運休・関西国際空港のフライトの状況を視覚的に表示
・外国語対応の病院や警察・消防・災害用伝言ダイヤルの情報をオフラインで確認
Osaka Safe Travelsでは大阪に滞在する外国人にローカル情報を提供して災害対策や観光支援をしています。
プッシュ通知によって災害発生を確認できるだけでなく、緊急避難場所や医療機関などもマップ上で確認できるので安心できるサービスです。
Osaka Safe Travelsの対応言語
合わせてネット上の外国人向け防災情報も活用しよう
紹介してきたアプリで災害に備えることも大切ですが、それに合わせてネット上で防災情報を受け取れるように日ごろから準備しておくことも重要です。ネットで上で防災情報を受け取れるために次のような知識を入れておきましょう。
<SNSによる外国人のための防災情報>
TwitterやFacebookをはじめとしたSNSでは、いざ災害が起こった時のために外国人のための防災情報を発信しています。
特に世界中にはFacebookを登録している人が多いため、そこに情報を流せばよく、新たに他のサービスに登録する必要がないといったメリットがあります。
けれど、国によってはまた違うSNSを使っていることもあります。例えば、中国人はWeChatという中国発のSNSの利用が圧倒的です。
それぞれの国によって利用者の多いSNSを駆使した防災情報を発信していくという動きが活発となっています。
自治体の外国人のための防災情報
各自治体のホームページなどに、多言語で災害時のハザードマップや防災パンフレットが見られるところも多いです。いざという時にどこへ避難したらよいかなどの情報を理解しておくことが大切です。
また、自治体ごとの防災のためのSNSアカウントがあるところも増えてきました。
特に外国人が多く住んでいるような自治体では、必ずといっていいほど準備されています。
例えばブラジル人労働者の多い静岡県浜松市では、浜松国際交流協会と連携しFacebookアカウントに防災のための情報を発信しています。
まとめ
外国人が災害時に避難したり、周囲とコミュニケーション取ったりできるかは不安になる点です。
JNTOからの情報やNICTの技術を生かせば、観光やビジネスで滞在しているときにも、日本に在住している場合にも安心の対応ができます。対応言語もだんだんと増えて利用できるケースが増えてきました。
災害大国日本での滞在が不安な際には、ここで紹介した災害対策アプリを使ってみてください。
また日ごろから災害に備えるという意識が大切なことというのは言うまでもありません。いざという時に困る事のないように、あなたが住んでいる地域のハザードマップを自治体のホームページなどで確認しておくことをおすすめします。