留学なしでも英語は話せる!

機械通訳の精度は高い?AI翻訳の登場の影響も解説!

機械通訳の精度に関心を持っている人もいるでしょう。通訳を目指している人にとっては、将来的に機械通訳に負けてしまうのではないかという不安があるかもしれません。この記事では機械通訳の精度の高さについて現状と将来の課題についてまとめました。AI翻訳との関連性についてもわかりやすく解説します。

 

【結論】機械通訳の精度は向上していく

機械通訳の精度は向上していくのはもはや明らかです。将来的にはだんだんと精度が上がって使いやすくなっていくでしょう。このように結論付けられる理由を簡単に紹介します。

 

現状でも機械翻訳の精度は高い

機械翻訳の精度については現在でもかなり高い水準になっています。有名なのはGoogle翻訳で、テキストを入力して実行すると瞬く間に理解できるレベルの多国語に変換できます。翻訳可能な数はなんと世界中の100以上の言語となっており、メジャーなものだけでなくマイナーな言語にも対応しているのです。以前はプログラムされたルールベースの機械翻訳が主流でした。この頃には翻訳された文章を解釈する力が求められましたが、AI翻訳の登場によって自然な言語に近い翻訳が実現されています。

 

AIによる学習が進むと精度は向上する

AI翻訳が登場しても精度は満点ではありません。なぜならAIの精度が向上するには学習が必要だからです。人の脳を参考にしたアルゴリズムを搭載しているディープラーニングでは、人と同じように多様なインプットを受けることでアウトプットの質が高まります。AIの性質上、学習を進めていくにつれて精度は向上していくと言えます。

 

翻訳ではなく通訳として十分なシステムも登場し得る

現状としてはAI搭載のシステムによって精度が高くなってきているのは通訳ではなく翻訳です。機械通訳についてはただテキストを他の言語に置き換えれば良いだけではないので、機械翻訳と比較してかなり高度な技術と学習が必要になります。ただ、AIによって音声認識などの生態認識技術も生み出され、精度も高くなってきました。このような技術の組み合わせによって通訳として十分なシステムが登場する可能性があります。現状としても多国語の音声認識技術はAIによって確立され、スマートフォンや住宅設備などで利用されています。

言葉を正確に認識する技術と、翻訳技術が組み合わされば機械による同時通訳も実現できると考えられるでしょう。2010年にはVoiceTra(ボイストラ)が逐次通訳が可能なアプリとして登場しました。VoiceTraを使えばスマホに話しかけた事を即時に目的の言語に変換してくれるので言葉の通じない人同士のコミュニケーションが可能となります。まだ精度は十分とは言えませんが、今後の技術開発によって同時通訳にも対応する高精度の機械翻訳が実現される可能性も十分にあります。VoiceTraは2022年9月現在で31言語に対応しています。

 

機械通訳の精度に関する課題

現状としては機械通訳の精度を高める上で課題がまだたくさんあります。また、実際に機械通訳が高精度で実現されたとしても、実用面では問題になり得る点があるので注意が必要です。機械通訳の精度と実用性についての課題をここで詳しく確認しておきましょう。

 

テキストベースでの精度に比べて音声ベースの精度は低い

機械通訳ではテキストベースの翻訳の精度に比べて音声ベースでは精度を上げるのが難しい面があります。音声認識から始まり、テキスト化して翻訳した後、音声として出力するというプロセスを経る必要があるからです。音声認識の時点でも翻訳の時点でも精度が高くなければ的確な通訳はできません。現状としてはまだ対訳式の翻訳では精度が低く、AI翻訳では訳抜けを起こすケースがよくあります。また、改行や空白によってまったく意味の違う文章になることもあります。音声認識についても正確性に欠けていて、何度も同じことを言わないと適切なテキストとして入力されないという問題もあるなど現状の精度は低いです。両者の精度の向上が求められるため、高精度の機械通訳は簡単ではありません。

 

話し手の意図や聞き手の考え方を考慮するのが難しい

通訳はただ言葉を聞き取って他の言語に翻訳すれば役割を果たせるというわけではありません。話し手の意図や感情を汲み取り、聞き手の背景や考え方を考慮して適切な言葉を選んで話すことが求められます。また表情やジェスチャーを加えたりすることで生まれる微妙なニュアンスの違いもあるでしょう。機械通訳ではここまでの精度を求めるのは容易ではありません。けれど将来的には話し手の言葉の抑揚や聞き手の表情までは反映させられるくらいの精度になる可能性はあります。しかし、話し手や聞き手の持っている文化や宗教、政治経済に関する背景などまで考慮するのは現実的には困難です。機械通訳では人が通訳をするのに比べると、個別に意図を汲み、背景に配慮する点では精度に欠けるといわざるを得ません。

 

AIによる学習内容によって精度にばらつきがある

機械通訳では精度のばらつきが大きいのも課題です。AIによる機械通訳では学習内容によって精度が変わるからです。学習させたデータによって出力結果が左右され、類似性が高いデータを学習しているときほど精度が高くなります。行政で用いられている専門用語を学習させれば、市区町村での行政手続きで精度の高い対応ができる機械通訳ができるかもしれません。しかし、そのシステムに医療翻訳を担ってもらおうとしても精度が低くてあまり使えないことになる可能性があります。世界各国に視野を広げると文化の違いもあるため、どのようなシーンでも精度の高い機械通訳システムを作り上げるのは困難でしょう。

 

通訳の精度や内容に対する責任の問題がある

機械通訳の精度が上がったとしても実用面では責任の問題があるので注意が必要です。通訳に間違いがあって誤解したときや、発言内容が正しいニュアンスで伝わらなかったときには機械が責任を負うわけではありません。機械通訳の開発会社が責任を負う可能性もゼロではありませんが、現実的には利用者が責任を負うことになります。他国の言語を話せないからこそ通訳を利用するので、機械通訳の内容の良し悪しを本人は理解できない場合が多いでしょう。その内容が誤っていても訂正して誤解を解くこともできません。しかし、人が担当する場合には責任を持って対応します。誤解が生じたときには事情を説明して対応できるのも人ならではのことです。機械通訳では利用者の責任が重く、実用的には厳しいシーンが多いのが課題です。

 

まとめ

機械通訳はAIの登場によって高い精度で実現できる可能性が生まれてきました。音声認識から翻訳までAIによる学習を進めれば、精度は向上していくでしょう。ただ、現実的には人のように話し手や聞き手の意図を汲んだり、背景に基づいて言葉を選んだりすることは困難です。機械通訳の精度が上がったとしても、利用者が責任を負うという問題もあります。機械通訳の利用価値は高まる可能性があるのは確かですが、重要なシーンでは人による通訳の必要性が絶えないでしょう。