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コミュニティ通訳とは?仕事内容からなり方まで解説します

コミュニティ通訳という仕事をご存じでしょうか?

日本に在住する外国人の方には、日本語が上手く話せなかったり、少し話せても、日本人でも難しい役所関係の手続きなどが上手くできず、困っている方が沢山います。

そんな外国人の方の日常生活を言語でサポートするのが、コミュニティ通訳の役割です。

今回は、そんなコミュニティ通訳についてまとめてみました。

コミュニティ通訳って聞いたことがあるけれどどんな仕事かわからない、どうやってなれるの?検定試験はあるの?などの疑問を解決したいと思います。

コミュニティ通訳とは?

簡単に言うと、日本語ができない外国人の方が暮らしていく中で必要な手続きやサービスを受けるために、行政機関や病院などで間に入って通訳を行う仕事です。

現在はコロナで減少しているものの、コロナ以前は在留・訪日外国人の数は年々増加しており、将来日本が少子化社会になっていくことを考えると、今後も日本で暮らす外国人の数はますます増加が見込まれます。

日本に住んでいる外国人の方は日本語を話す方も多くいますが、そのレベルは様々で、日常会話はできても市役所での手続きや、病院での医者とのやり取りなどは難しくてできない、という方も多いです。私たちが英語をある程度勉強しても、上記のような場面では中々スムーズなやり取りが難しいことを想像してもらえるとわかると思います。

コミュニティ通訳の具体的な仕事内容

コミュニティ通訳は、外国人の方の暮らしを言語面でサポートするのが仕事ですが、その活動範囲は多岐に渡ります。行政機関・病院・入管・警察・学校などが主な活動場所になります。日本では外国語対応ができる機関というのはまだまだ少ないので、暮らしていく中で必要になる場面のほとんどでコミュニティ通訳が必要になるといっても良いと思います。

具体的な仕事内容は、上記のような場所に外国人本人と同行・またはオンライン・電話などでつながり、対応している日本人との間に入って通訳を行います。

ある一つの場所、病院や警察などに専属で通訳として在籍する場合もありますが、多くの場合、コミュニティ通訳として登録していると、様々な場所に派遣される可能性があります。

そのため、幅広い分野での知識が必要になります。今日は市役所に行って保険の手続きの通訳、次は学校に行って入学手続きの通訳、というような場合もあるからです。

またコミュニティ通訳の仕事で難しい点として、日本の制度や慣習を説明するのが難しい場合があるということです。日本語の名称に対応する言葉がその人の母国語に無い場合も往々にしてあり、コミュニティ通訳は、言語だけではなく、その国の制度や文化にも通じていることが理想とされます。

また、通訳者にとって、ベストな通訳をするために事前の準備はかかせないのですが、依頼者する側が慣れていないと、「通訳だからどんなことでも話せるだろう」と思いこんでしまい、事前にどんなことを話すのか情報をほとんどもらえない場合があります。そのため、実際に現場に行ってみて、思ったよりも専門的な話だった・・・というような場合もあり得るので、そういった部分が大変なところかもしれません。

コミュニティ通訳の報酬

コミュニティ通訳の報酬は、様々です。現在コミュニティ通訳が職業として確立しているとは言い難く、地域の国際交流団体にボランティアとして登録している方が派遣される場合などが多いです。

ボランティアなので、報酬は0円の場合もありますが、登録している団体によっては謝礼金というのを用意しているところもあります。その謝礼金も交通費程度のものから1回3000~6000円ぐらいのところもあります。

警察での民間人通訳の募集要項では「交通費と謝礼金をお支払いします」と記載されており、金額は明らかにされていませんが、報酬はもらえるようです。

ただし、基本的にはどの場合も案件が発生しだい稼働する、という形になるので、コミュニティ通訳だけで食べていくことは難しいかもしれません。私が知っている中でも、リタイア後に働かれている方や、ある程度融通の利く働き方をしており、報酬というよりもやりがいが目的で働かれている方が多いと感じます。

コミュニティ通訳のなり方

コミュニティ通訳になる方法は何種類かあります。

①地域の国際交流団体でボランティアとして登録する。

各都道府県には、ほぼ必ずその地域の国際交流団体があります。

活動内容は様々ですが、中にはボランティア通訳を募集しているところもあります。

登録しておくと、その団体に各機関から依頼があった場合に、単発で依頼が来ます。

他にも登録者がたくさんいると、なかなか案件を獲得することが最初は難しいかもしれませんが、

団体によっては、一度も活動したことが無い人に優先的に依頼をしている場合もあるので、

まずは登録をしておくと、チャンスが巡ってくる可能性が高いです。

②特定の機関の募集に応募する

警察や市役所では、専属のコミュニティ通訳を募集している場合もあります。

「警察 通訳 募集」と検索すると、募集中の案件が出てきますので、ご自身の住んでいるエリアに近いところの求人があれば応募してみるのがいいかと思います。

③多言語電話サービスを提供しているコールセンターで働く

多言語電話通訳サービスを提供しているコールセンターの求人に応募するのも、一つの方法です。

基本的にフルタイム、またはシフト制で働くことになるので、収入的には一番安定しやすく、必ず案件を担当することになるので、経験も積みやすいと言えます。

私の知り合いで、以前多言語電話通訳サービスのコールセンターで働いていた方がいるのですが、銀行でのやり取りや、病院でのやり取りなど本当に様々な案件を担当する機会があり、通訳のスキルも、色々な分野に関する知識も身に付いた、と言っていました。

「多言語 通訳 求人」と検索すると、意外と沢山求人が出てきますので、探してみてください。

コミュニティ通訳の資格試験

現在のところ、コミュニティ通訳になるために資格は必要ありません。

ただ、コミュニティ通訳はある程度専門知識にも通じていなければいけないので

独自でその能力を図る資格試験を用意しているところもあるようです。

①一般通訳検定(TOUI)

一般通訳検定│一般社団法人 通訳品質評議会 Council for Interpreter’s Quality and Competence (interpreter-qc.org)

一般社団法人通訳品質評議会が実施している、コミュニティ通訳の育成と地位向上を目的としている検定試験です。筆記試験と実技試験があり、「上級」「中級」「初級」の中から選んで受験する形になっています。結果に応じて1級~10級が判定されます。

②国際交流団体が実施する試験

その他に、各地域の国際交流団体が独自で試験を実施している場合もあります。

(例)コミュニティ通訳認定試験 (公益財団法人 大阪国際交流センター)

コミュニティ通訳認定試験 | 公益財団法人 大阪国際交流センター (ih-osaka.or.jp)

まとめ

以上、コミュニティ通訳について紹介してきました。

コミュニティ通訳はまだまだ認知度も地位も低く、あまり知られていませんが、日本に住む外国人の暮らし全般をサポートする重要な役割を果たしています。

今後日本に住む外国人が増えることは必至なので、今後ますます需要が高まる仕事だと思います。

コミュニティ通訳という仕事の存在を知り、興味を持った方、やってみたいと思った方がいればぜひ、この記事を参考に挑戦してみてください。

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